The Soccer Referees’Association of Kanagawa
 
 神奈川県サッカー審判協会

FIFAビーチサッカーW杯(マルセイユ)に参加して

 

                             小野寺

 

5月11日にビーチサッカーアジア予選(ドバイ)を終えて、ホッとしたのもつかの間、FIFAからワールドカップのオファーがありました。

まさか自分がワールドカップに行けるとは…。本当に驚きました。

ドバイでのアジアカップが私にとって初めての国際大会でした。その先は自分でも全く予想していませんでした。

ここから再び私のチャレンジが始まりました。トレーニングは継続していましたが、競技規則が変更されるなど心配なこともありました。気持ちを強く持ち直し、再度トレーニングに取り組みました。

ビーチサッカーは、5人対5人で行われます。砂の上なのでオーバーヘッドキックなどアクロバティックなプレーもでき、海と太陽を身近に感じながら楽しめるのが魅力です。審判のフィジカルテストも、砂の上での様々なダッシュが中心です。トレーニングは主に平塚のビーチで走り込みをしました。

 

アジア予選は中東のドバイという砂漠の国でしたが、今回の舞台はフランス・マルセイユでした。前回灼熱の国だったので、今回もそのつもりで行ったら、連日25℃前後で、時には寒いくらいでした。

私は海外旅行の経験は、新婚旅行のドイツだけです。フランス語はもちろん、英語も片言です。大会には、もちろん通訳などいません。大枚をはたいて電子辞書を買い、あとはジェスチャーも含め20日間過ごしました。語学の必要性を痛感しました。

また、ドバイのアジア予選の時から、上川徹氏の著書『平常心』が私のバイブルでした。海外の大会で体調を崩したときの心得、割当があるかわからないときのモチベーションの保ち方など、助けられることが多かったです。

 

大会のレギュレーションは、4チームリーグが4グループあり、上位2チームが決勝トーナメントに進出します。ビーチサッカーは3ピリオド(各12分間)で行われますが、予選ラウンドから延長戦(3分間)・ペナルティキック戦(一人目からサドンデス)があります。延長戦・PK戦に入って勝った場合は、勝ち点2点が与えられます。

大会の審判には、エンクローチメント(侵入)とシミュレーションについて厳しく対応するように言われました。大会期間中も、2つのことについては必ず反省会で映像がありました。また、動きについては、ポジションチェンジを早くするように、アイコンタクト、コミュニケーションを取るように繰り返し指導がありました。

笛の吹き方は、どんな場合でも「強く」「短く」吹くように言われました。また、シグナルについては手の角度まで厳しく指導がありました。

 

試合は全部で5試合を担当しましたが、いずれも厳しいゲームばかりでした。審判が終わった後、精神的にも限界で、立ち上がれないということもありました。それほど消耗したのは初めての経験でした。

特に厳しいゲームとなったのは、試合目のフランスイラン戦でした。ホームのフランスが、最初5-1とリードしておきながら、逆転されてしまったのです。結局PK戦までもつれこみ、フランスが辛勝しましたが、試合後フランスの監督が審判団控え室の前に居座り、2時間ほどホテルに戻ることができなくなりました。

ただ、ホテルに帰りついたところ、すべての審判とインストラクターが出迎えて、「ナイスコントロールだった。」と拍手をしてくれました。このような経験は初めてであり、驚いたと同時にとても嬉しかったです。

 

審判は世界22カ国から1名ずつ参加していました。個性豊かな方が多かったです。宗教上の理由でほとんどホテルの食事を食べられず、毎日豆ばかり食べていた方や、ホテルの部屋から毎日国際電話をかけてしまい、帰国時に電話代600ユーロ(約9万6千円)請求された方もいました。南米の審判は女性が好きで、街中で女性とすれ違うたびに、必ず声をかけていました。

 

ワールドカップに参加して学んだこととして、審判チームのチームワークの大切さがあります。試合前の打ち合わせはほとんどしませんが、意思の疎通が図れるよう会話を交わしコミュニケーションを取ります。ビーチサッカーのみならず、今後私が携わっていくフットサルの試合でも大切にしていきたいと思っています。

 

末尾になりましたが、柏原審判委員長並びに神奈川県の皆さん、フットサル関係の皆さんに心からお礼申し上げます。これからも微力ながら神奈川県の審判として尽力していきたいと思っています。





                               


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